コラム

LINE公式アカウントとLINEマーケツールの違いを解説【図解】

この記事では、LINE公式アカウントとLINEマーケティングツールの違いを解説しています。以下のような疑問にお答えします。

  • 一番重要な違いは?
  • LINE公式アカウントだけで運用は難しいのか?
  • 両者で効果に違いは出るのか?

LINEマーケティングツールとは:
LINE公式アカウントの機能を利用して他社が開発しているサードパーティー製のツール全般のこと。LINEヤフー株式会社が公式に開発している訳ではない点にご注意下さい。【代表例】Lステップやエルメ、Liny etc.

はやし

本記事はLINE公式アカウントの機能をまだ把握していない段階の担当者向けに執筆しました。そのため以下のように前段・後段に分かれています。

前段:LINE公式アカウントが実現できること
LINE公式アカウントを利用すればどのようなことが実現可能かを初心者向けに一から執筆しました。

後段:LINE公式アカウントだけでは実現できず、LINEマーケツールを使うと実現できるようになること
LINE公式に加えて、マーケツールが必要となってくるシーンを解説しています。

既にLINE公式アカウントの機能を十分把握されている運用担当者は、後段から読み始めて頂いても構いません。

前段:LINE公式アカウントが実現できること

スライド1:LINE公式アカウントは他のSNSとは違う

各SNSとLINE公式アカウントとの関係

まずは、LINE公式アカウントを運用するにあたっての「前提」のお話です。LINE公式アカウントは他のSNSと違い、1to1のコミュニケーションに重きを置いているツールです。また、友だちになってもらわなければ、そもそもメッセージを送ることが出来ません。そのため、一般的なSNSと比べてクローズドな環境でメッセージを送信することが出来るツールと言えます。この点で言うと、メルマガに近い側面も持ち合わせています。最も大きな相違点は、友だちの情報を一人一人、管理・分析することが出来る点にあります。

LINE公式アカウントの特徴

✓ 1to1のコミュニケーションが得意

✓ クローズドな環境でメッセージ配信が出来る

✓ 顧客管理を細かく行うことが可能

これらの特徴を踏まえると、スライド1のような運用を実現することが可能となります。
広く集めるためのツールはSNS以外にも、ランディングページやLINE広告、実店舗の場合はお店に来店したお客さんをLINE公式アカウントの友だちに誘導する方法などがあります。

LINE公式アカウントに友だちを集めることで、以下のような施策を実現出来ます。

  • 限定クーポンを配布して、初回購入・初来店を促す
  • お店やサービスの情報を自動メッセージ配信で伝えることが出来る
  • 予約者のリマインドを自動で送る
  • 初回来店客への次の来店をタイミングよく促すことが出来る
  • 個別にチャットサポートで対応ができる
  • 友だちにアンケートを送り、顧客情報を取得・管理することが出来る

これらの取組みは全て、初回来店からリピーター化に繋げるための施策です。SNSから一歩踏み込んだ施策を実現できる特徴があります。

スライド2:LINE公式アカウントは初来店からリピーター化までカバー出来る

スライド2のグラフは、前回の来店から次も来店してくれるお客さんの割合を表したものです。初回来店をしたお客さんは、2回目来店することはほとんどなく、再来店率は10%程度と言われています。しかし、2回目に来店した10%のお客さんのうち、3回目もお店にやってくる割合はグッと上昇して30%程度になります。さらに3回目は40%を超え、4回お店を訪れたお客さんは、6割近く次もお店を訪れてくれます。これはお店への思い入れが強まったり、店内での様子を十分理解したことから、心理的なハードルが下がったためと考えられます。

この再来店率から分かる通り4回目程度までの来店促進策は特に重要度が高いと言えます。
ここで一つ、注意すべき点があります。「1回目来店を促進する施策」と「2回目以降のリピートを促進する施策」は別で考えた方が良いでしょう。さらに、「リピーター離れを防ぐ施策」も別物として考えましょう。

LINE公式アカウントを活用すれば、顧客をしっかりと管理することで、上記3つの施策を適切に分けて実施可能になります。裏を返すと、顧客管理が正しく出来ていないと、上記を混同して施策を実施するしか出来なくなります。常連客の顔も分からずに、初来店客と同じ扱いを続けていると、いつの間にか常連客は離れていくでしょう。

スライド3:コストを下げて利益率をアップできる

リピーター離れをいかに防ぐかというお話をスライド2でしました。スライド3では、マーケティングの世界で有名な2つの法則をご紹介して行きます。

1:5の法則
新規顧客獲得にかかるコストはリピーターを維持するコストの5倍

5:25の法則
顧客離れを5%改善すれば利益率は25%改善される

これは感覚的にも理解しやすいと思います。新規の顧客を獲得するのは本当に大変です。先ほど述べた心理的なハードルがあるためです。そのためSNSで時間をかけて発信をして、広告を打ち、キャンペーン施策を大々的に実施して、ようやく初来店に繋げることが出来ます。

一方で、一度常連客となったお客さんは広告を打たなくても、習慣的にお店に足を運んでくれます。広告費も不要で非常に安上がりです。

飲食店を例にして考えてみましょう。認知してからすぐに足を運ぶことが出来る人は少数派です。気になっている、いつか行こうと思ってGoogleマップ上で行きたいお店にチェックだけ入れている、そんな経験が誰しもあると思います。

人は一度決まったライフスタイルを少しでも変えることに抵抗があります。ストレスがかかるのです。そのため、行きつけのお店によく足を運びます。筆者は学生時代、大手寿司チェーン店でフロアに出て働いていました。その時に週3日から週5日と足しげく通ってくるお客さんの顔はよく覚えています。毎週土曜日に親子3世代でやってくる家族もいました。売上は毎週1万5千円です。いつもありがとう、と本気で思いました。また、お客側の立場としても、某ファミレスには年間200日程度もヘビーに通い詰めた時期があります。定番メニューは全て制覇しましたが、定期的に新メニューが投入されるので結局、飽きは来なかったです。ライフスタイルの変化に伴い行く機会がなくなりました。いま思うと、大手チェーンほど、常連が離れないように工夫していることが良く分かります。

さて、リピーターの維持がいかに重要かをお話してきました。LINE公式アカウントを活用してリピーターを維持することで、利益率を着実に向上させていく事が出来るようになります。商品メニューの定期的な開発はLINE公式アカウントがあっても出来ませんが、ショップカードをランクごとに分けることで、ヘビーに通い詰めてくれる顧客にインセンティブを持たせることが可能となります。(また、会員証発行の仕組みを整えることで、ポイントを付与する施策も可能です。※会員証機能はLINEマーケツールが必要)

次のスライド4では、さらに踏み込んでファンマーケティングについてお話しします。

スライド4:LINE公式アカウントはファン育成ツール

スライド3では、リピーターをいかに生み出して、維持して、利益率を改善するか、というお話をしました。スライド4では、さらに踏み込んでLINE公式アカウントはファンを育成するファンマーケティングツールであることを解説します。

LINE公式アカウントは、お店に対して強力なファンを育成するツールです。ファンというと、アイドルやVTuberのような個人に対して付くイメージがあるかも知れません。しかし企業にもファンはちゃんと存在します。Appleやソニーなどの企業には強力なファンが付いています。新製品を発売すれば、事前に予約をして、発売日には何もお願いせずとも、商品についてのレビューをXやYoutubeに投稿してくれます。宣伝費は無料です。このように、ファンを育成することが、企業利益を最大化するための重要な鍵となります。

ファンの数、これらはブランド価値とも言い換えることが出来るでしょう。ブランド価値を高めよう、と言われてもあまりピンと来ません。製品に企業ロゴを入れて見たり、企業カラーを統一して、世界観を表現しよう、と言われても正直、それでブランド価値が本当に上がるかと言われると疑問が残ります。しかしファンの数を増やそうと言い換えれば具体的なイメージが沸きやすくなります。ブランド価値を高めること、それはファンを増やして行くことなのです。

LINE公式アカウントは、このファンを育成していくためのコミュニケーションツールとして活用することが出来ます。友だちとの接点を増やし、お店やサービスに愛着を持ってもらうようにするための設計を行いましょう。その先に見えてくるのは、企業ブランドの確立と利益率の最大化、そして企業価値の最大化です。

LINE公式アカウントで実現できること:まとめ

✓ 初回来店からリピーター化まで、幅広く対応が可能
✓ リピーター化の促進によって、利益率を向上させることが可能
✓ ファンを育成することで、ブランド価値まで高めることが出来る

はやし

ここまでは「LINE公式アカウント」だけでも実現できる内容のお話でした。後段からは、LINE公式アカウントの限界に触れ、LINEマーケツールを使えば実現できることをお話ししていきます。

後段:LINE公式アカウントだけでは実現できず、LINEマーケツールを使うと実現できるようになること

LINE公式アカウントには限界があります。

APIを活用した会員証機能やLINE内での予約受付機能、LINE内での決済機能などなど、細かい機能的な違いもありますが、それらは大した違いではありません。予約機能は別の予約ページに誘導してしまえばLINE公式アカウントだけでも実現可能です。決済機能も別のサービスを使って、そちらのページに誘導すれば実現できます。LINE内でシームレスに完結できないという制約があるだけで、工夫次第でLINE公式アカウントだけでも、上記の機能に代替する方法を提供することが出来るのです。

例えば「予約受付」の場合、直接トーク画面にて予約日と予約時間、予約者のお名前を聞けば、やり取り出来ます。メッセージはテンプレート化して、自動返答機能を使って運用しているアカウントは数多くあります。

ただ、LINE公式アカウントのみで運用する場合、手動でそれらをやる必要が生じます。また、LINE内の友だちリストに顧客情報を紐づける(タグ付けする)作業も手動となります。顧客管理をしっかりやろうとすると、とにかく手間がかかる、これがLINE公式アカウントの最大の欠点です。顧客管理をしっかりすればするほど、手間は増えて行きます。しっかりしなければ、手間はかかりませんが、LINE公式アカウントを使いこなせないままに終わります。アカウントだけを開設して、運用に時間をかけず、そして効果も上がっていない、そういったアカウントが数多く存在します。

そこでLINEマーケツールの登場です。

LINE公式アカウントだけで「顧客管理」を行うには手間がかかる

LINE公式アカウントは工夫次第でだいたい何でもできる。ただし、手間を減らすには機能的な限界がある。

スライド5・6:LINEマーケツールを活用すれば【顧客管理】と【自動化・業務効率化】を両立できる

上記の2つのスライドをご覧ください。

顧客管理をしっかり行う場合、友だちの数が増えれば増えるほど、そこに費やす時間も増えて行きます。イメージとしてエクセルやスプレッドシートにお客さん(友だち)のリストがどんどん増えて行く状況を考えてみて下さい。A列に友だちの名前が表示されます。しかしB列C列以降の情報(性別・生年月日・住んでいる地域・興味関心・メールアドレス)といった情報は全てブランクの状態です。この情報をアンケートに答えてもらって、回答に基づいて一つずつ担当者が手動で入力して行くとなると、どうでしょうか。

恐らく誰もが面倒だと思うでしょう。50人を超えたあたりから嫌になってきます。500人を超えるとやりたくありません。そして全ての情報が自動で入力されればいいのに、と考えるでしょう。

LステップやエルメといったLINEマーケツールがあれば、アンケートの回答を自動でタグ付けして、上記の面倒な作業を自動化出来ます。LINE公式アカウントだけだと、A列の友だちの名前くらいしか、自動で入力されません。この点が、LINE公式アカウントとLINEマーケツールの最大の相違です。

両者の最大の相違点

LINE公式アカウント:「顧客管理」は出来るが、友だちの数に応じて手間が増える。機能的な制約から、効率化が難しい

LINEマーケツール:LINE公式アカウントの機能的な制約を解消し「顧客管理」と「自動化・業務効率化」を両立できるようになる

はやし

これは筆者の意見ですが、手間ひま(担当者の人件費)を考えた場合、500人以上のアカウントを運用するならLINEマーケツールを導入して自動化を図った方が良いと思っています。

1,000人友だちがいるけど、LINE公式アカウントのみで運用中です、という会社もあるでしょう。ただ、そのアカウントは恐らく、友だち全員にちゃんとタグ付けして、顧客管理をしっかりやれていない可能性が高いと思います。だって大変ですので。結局、友だちの数だけ増えたけど、効果はいまいち、となっている場合はこのパターンが多いのではないでしょうか。せっかく運用するんですから、しっかり顧客管理を行って、ちゃんとした効果を上げたいところですね。

LINEマーケツールを活用すれば、顧客に対して新しい価値を提供することが出来る=DX化の実現

最後にLINE公式アカウントとDX化の話をして終わりたいと思います。

LINEマーケツールを使った自動化・業務効率化の話を先ほどしました。業務効率化とDX化はイコールではありません。業務効率化は先ほど例に挙げたエクセルの自動化をイメージしてもらえると良いです。一つずつ手動で入力していた情報が自動で入ってくるようになる、これは業務効率化です。

しかしDX化はさらにその一歩、いえ五歩くらい先を行っています。徹底的に業務効率化した後に、その業務自体を完全に無くして、顧客の動き方をガラッと変化させる(新しい体験を提供する)ことがDX化の本質です。

DX化の例を1つ挙げます。

大手寿司チェーン店では、都心部の店舗に限ってかも知れませんが、来店 ⇒ 設置されているタッチパネルに人数を入力すればそのままテーブル番号の書かれた紙が発券されます。そのまま店員と一切接触せずに席に向かって注文オーダーを開始出来ます。食べ終わった後は、お会計を呼ぶところはまだ人が介在していますが、最初に発券されたテーブル番号の紙を持ち、自動レジでバーコードを読み取り、セルフ会計を済ませる流れとなっています。

この一連の流れは、昔の飲食店の流れからするとかなり変化しました。このようにすることで、お店側は「案内」「レジ打ち」という業務が消滅しています。そしてお客さんは「非対面」で席に着き「自分のペースで会計を済ませる」ことが可能となり、新しい顧客体験が生まれました。ひと世代も前であれば、レジ前に店員がいなくて待たされたり、案内の順番で人的ミスが発生したり、案内する店員がその場におらず、空いている席をなぜか眺めているだけ、という不幸な状況が生じていました。これらが自動化・業務効率化と顧客体験の変化で上手く解消されたのです。これがDX化です。

LINE公式アカウントは、DX化の環境を整えるための前段階「自動化・業務効率化」が得意です。そして、これからは企業や店舗が大いに工夫を凝らす必要がありますが、DX化の取組みも増えて行くことでしょう。LINE公式アカウント自体も機能拡張がどんどん進んでいることから、取り組みの幅も広がって来ています。

現段階でのLINE公式アカウントの事例などは下記のページもご参照ください。
LINE公式アカウントの事例(公式):https://www.lycbiz.com/jp/case-study/

このように、LINE公式アカウントはリピーターを増やすためのツールであるとともに、ファンマーケティングを促進するツールでもあり、ゆくゆくはDX化を実現するためのツールともなるのです。これらの少し先の未来を見据えた上で、LINE公式アカウントの運用を検討して頂ければ良いかと思います。1年後、何人の友だちを作り、どのような指標を達成するかを事前に計画しておきましょう。そこから逆算する形で、LINE公式アカウントのみを使い続けるか、LINEマーケツールを導入するかを決めることをおススメします。

無料オンライン相談やっています

さて、いかがだったでしょうか。

LINE公式アカウントの前提から入り、LINEマーケツールとの相違点までざっと触れてきました。

今回、両者の違いを俯瞰的に見てもらいたかったため、細かい機能については説明を省きました。機能的な相違を知りたかった方は説明不足となり大変恐縮です。

もし自社で導入を検討しており、LINE公式アカウントとLINEマーケツールの関係についてまだ不明点が残っている、個別の案件相談に乗って欲しい、などのご要望があれば、無料相談受付中ですので、以下のボタンよりお問い合わせ下さい。筆者のはやしがどんなご質問にも丁寧にお答えいたします。

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【こんな疑問&質問にばっちりお答えします】

✓ 自社でLINE公式アカウントを導入するなら、どのツールが最適ですか?
✓ どういう運用方法が良いでしょうか?
✓ 友だち集めの施策を教えて欲しい
✓ どれくらいのコストがかかりますか?
✓ 既に運用しているLINE公式アカウントの改善案を教えて欲しい

全て無料でご相談に乗ります!

はやし

それでは今回はこんな感じで。またの記事をお待ちください

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はやし
MEOやLINE公式アカウントの導入支援&事業計画書の作成支援など企業課題を広くお手伝いしています。20代の頃は大手物流会社と税理士法人に勤務。飲食店・歯科・介護福祉施設などの実店舗を数値面からサポート。その後、30歳で上京しVRスタートアップ会社で6年間勤める。360度カメラのECショップ運営・大手量販店開拓、その他幅広くWEBに関する施策を担当。5年間で月商5倍を達成し、WEBマーケティングのノウハウを身につける。趣味は毎日散歩とマインドフルネス瞑想。7月より法人を設立し本格的に事業を始める。
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