コラム

【LINE公式アカウント】料金プラン改定とその対策を本気で考える

はやし

今回の料金プラン改定について、解説を加えながらまとめています。そして今後どのようにアカウント運営を行っていけば良いのか、その対策をまとめました。

(公式)ニュースタイトル:【重要】LINE公式アカウント 料金プラン改定のお知らせ

元ニュースのURL:https://www.lycbiz.com/jp/news/line-official-account/20230601/

どういった点が変更になりますか?

今回の変更では、大きく分けて2つ変更があります。

その1:従来あった3つのプランの内容が変更となります。「料金プラン改定」と発表がありますが、料金自体の変更はありません。各プランごとに送信することのできる無料メッセージ数が減少します。

新旧料金プランの比較表

(税別)フリープランコミュニケーションプランライトプランライトプランスタンダードプランスタンダードプラン
新旧
月額固定費0円0円5,000円5,000円15,000円15,000円
無料メッセージ通数(月)1,000通200通15,000通5,000通45,000通30,000通
追加メッセージ料金不可不可5円/通不可~3円/通~3円/通

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赤字箇所が変更点です。全プランの無料メッセージ枠が減っていますね。表には記載されていませんが、「あいさつメッセージ」や「個別チャットのやり取り」などは従来から変更なく引き続き無料です。

今回発表された料金プランの改定は「2023年6月(予定)」となっています。そのため、半年ほどの猶予があります。

既に変更されています。追記:2023/10/17

その2:今回の改訂に併せて、プラン変更時の日割り適用が廃止されます。

また、プラン改定に伴い2023年2月1日より現プラン料金の日割り適用を廃止いたします。今まで、フリープランからライトプラン、フリープランからスタンダードプランに変更した場合、変更月は日割りが発生しておりましたが、2023年2月1日からは、日割りではなく満額のご請求になります。

引用元:https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/ (LINE公式、※太字のみ追加)

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こちらはプラン変更される方のみお気を付けください。料金の計算が整理されるイメージですね。

改悪か? それとも改悪じゃないのか?

今回の変更点で無料メッセージ枠が減ることから、改悪との声が聞かれます。従来料金が安すぎたとみることも出来ますね。一方で、LINE公式では今回の改訂の背景を以下のように説明しています。

「LINE公式アカウント」は、企業や店舗がユーザーにとって「本当に欲しい情報」を届けることで、ユーザーひとりひとりに最適化された双方向のコミュニケーションサービスを目指しています。
しかし、メッセージの一斉配信などによる一方的なコミュニケーションが多くなっていたことが、課題となっていました。

引用元:https://www.linebiz.com/jp/news/20221031/ (LINE公式)

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ここでLINEが強く推しているとみられるワードは恐らく「双方向のコミュニケーション」かと思います。LINEは一般ユーザー同士がチャットをするという機能が本来一番のメインであるはずですが、一方的な配信に終始している法人向けアカウントが多かった、のではないかなと思われます。フリープランからコミュニケーションプランへの名称変更からも、コミュニケーションをもっとしてよ!といったメッセージが伺えますね。

改定前にやっておきたい対策を考える

もっとコミュニケーションしてよ!と言われても、現状、メッセージ配信を中心に運用しているアカウントは多いと思われます。特に月5,000円の出費が苦しい中小規模事業の担当者は頭を悩ませているでしょう。月5,000円、年に直すと60,000円と小さい金額ではないのです。

そこで、料金改定が始まる前にぜひやって置いて欲しい対策を考えてみました。LINE公式アカウントの機能をフル活用すれば、まだまだやれることは見つかると思います。ぜひアカウントの運営コスト低減に努めましょう。

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LINEは私たちに訴えかけているのです。もっと基本機能を活用せよと。

絞り込み配信(セグメント配信)の活用と準備

みなさんはメッセージ配信をする際は一括で送信していますか? 恐らく一括配信している方は多いと思います。LINE公式アカウントでは、以下の3パターンの絞り込み機能(セグメント機能)が用意されています。

「属性」で絞り込み:「友だち期間」「性別」「年齢」などで分けて配信が出来ます。

「過去の配信」を利用:過去に配信した友だちを対象に「含めたり」「除外したり」することが出来ます。

「オーディエンス」を作成:オーディエンスというとちょっと難しいかも知れませんが、グループに分けて配信することが出来るというイメージです。例えば、前回配信した友だち1012人のうち、「621人」が開封して「118人」が商品リンクをクリックしてくれた場合、「621人」を対象にメッセージ配信したり、「118人」を対象にメッセージ配信をしたりすることが可能です。

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この辺りの詳しい情報は公式マニュアルをご覧ください。

上記の絞り込み配信、実はちょっとくせ者で絞り込みの対象人数が少ないと配信が出来ない仕様になっています。「属性」で絞り込みの場合、最終的に絞り込んだ友だち数が50人いないと配信できません。オーディエンスの作成も同じく、絞り込んで50人いないと出来ないものが多いです。絞り込んで50人ということは、友だち全体だともっと多くの友だちが必要ということです。

そのため友だち数が少ないアカウント担当者は結局、絞り込めないので「とりあえず一括配信じゃ!」となってしまっている方、多いんじゃないでしょうか。

プラン改定後の「コミュニケーションプラン(旧フリープラン)」では無料メッセージ枠が1,000通から200通へとがくっと減ります。そのため、従来の「とりあえず一括配信」だとすぐに上限が来てしまいます。これを機にプランをアップデートするのも一つの手です。しかし何としても200通に抑えたい。そんな担当者の方には「チャットタグオーディエンス」の活用をおススメします。このチャットタグオーディエンスを利用すれば、「タグ」付けされた友だち1人からでも配信が可能です。流れは以下の通りです。

STEP1:友だちを普段から「タグ付け」しておく(タグ付け方法はマニュアルをご覧ください)。例えば、あいさつメッセージやリッチメニュー、自動応答メッセージを活用して、友だちからタグ付けに必要な情報を聞いておくと良いですよ。

STEP2:「タグ付け」の準備が出来たら、オーディエンス作成で「チャットタグオーディエンス」を選択して下さい。あとはそれを元にメッセージ配信するだけ。

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絞り込み配信は無料メッセージ枠を効率よく活用できるだけでなく、友だちへの無関係なメッセージ配信を減らすことに繋がります。それによってブロック率を改善することが出来るのです。ぜひ絞り込み配信を積極的に取り入れて行きましょう!

無反応な友だちのブロック促進

今のうちにやって置きたいこと、それは無反応になってしまった友だちのブロック促進です。ブロックを促進?と驚かれた方。安心してください。読み間違いではありません。無反応な友だちはブロックしてもらった方が幸せなのです。LINE公式アカウントの場合、無料メッセージ枠を超えて配信をする場合は、従量課金制となっています。また、今回のプラン改定によって、そもそも追加メッセージ配信はスタンダードプランのみに制限されることになりました。つまり、貴重な枠を無反応な友だちに利用することは損なのです。

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数が多ければいい、といったマス的な時代は着実に終わりを迎えようとしています。YoutubeもTwitterもインスタグラムも、数が多ければたくさん集客につながるかと言うと、そうではありません。大切なのは数より質です。無反応な友だちのブロック促進とは、言ってしまえば友だちの質を向上させようという取り組みなのです。

この無反応な友だちブロック促進は定期的に実施していくのがおススメです。具体的には以下のような施策が考えられます。

施策案1:普段から「属性」や「オーディエンス」設定をするための情報を定期的に聞いておきましょう。アクティブな友だちと無反応な友だちを「タグ」付けなどで分けていると便利です。そして無反応な友だちには一定のルールを設ける必要はありますが、ブロックは簡単にできるよ、といったメッセージをやんわり伝えます。

施策案2:ブロックを恐れずにメッセージを送りまくる。生き残った者だけが真の友だちだ、と言わんばかりに。この方法はコミュニケーションプランへ移行となれば無料枠は上限200と少ないため実施が難しくなりそうです。なので、フリープランでも1000通送ることが出来る今のうちに実施してみるのは良いかも知れませんね。ただ、気を付けるべき点は、セグメント配信に失敗しているだけ、の可能性もあるため、絞り込み配信をしっかりと行ってから実施する方が効果的と言えます。

施策案3:素直に無料プラン枠が限られているので、興味がなければブロックして!とお願いメッセージをする。小規模なアカウント運営者の中にはこの方法でメッセージしている方もおられます。正直が一番。

いずれのアプローチの場合も、ブロックは悪ではない、といったマインドで対策するのがポイントです。ブロックを恐れているとメッセージ配信自体出来ない、といった本末転倒な状態に陥ります。

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無反応な友だちが増えすぎてしまった巨大アカウントがLINE VOOM(無料)だけ投稿しているのを見かけることがあります。無反応友だちを増やしすぎると配信コスパが合わなくなり、最終的にVOOM投稿専用アカウントみたいになってしまうので、皆さんも気を付けましょう。恐ろしや。

友だち導線の見直し

無反応友だちを増やさない施策を述べましたが、そもそも友だちに追加してもらうタイミングで失敗しているケースもあります。お店の顧客ですらない人に強引に友だち追加を進める必要はありません。数を追い求めず、将来お店のリピーターになってくれる可能性のある方たちに向けて、着実に友だち追加の案内をして行きましょう。

そこで、プラン改定となる前に、ぜひ一度、友だち追加を促す導線の見直しを図ってみるのが良いかと思います。LINE公式アカウントでは、どこから友だち追加してくれたのかが分かる「友だち追加経路の設定」機能があります。こちらも上手く活用してみて下さい。

✔ 友だち追加することで、お客さんへより便利なサービス提供が行えるようになる
✔ お客さんから進んで自然に友だち追加してもらえるような導線を張る

✔ リアル友達や知り合いに片っ端から友だち追加をお願いする
✔ 無関係な場所で友だち追加のQRコードを露出したままにしている
✔ 初回クーポン配布を過度にやり過ぎてその場限りの友だちを増やしている

LINEVOOMを活用する

新プランでは無料のメッセージ配信枠が減少します。そこでLINE VOOMを活用して、何とかできないかと考えてみました。LINE VOOMは意外に使われていません。筆者の独自調査の結果ですが、少なくとも4割超のアカウント運営者はLINE VOOM投稿数が10未満となっています。

LINE公式アカウント調査:100アカウントの傾向と実態まとめ LINE公式アカウントがどのように運用されているのか、あるいは運用されなくなったのか、を詳しく調べるために独自で100アカウントの抜き...

このLINE VOOMですが、使い方によってはメッセージ配信の代わりにもなるので、ぜひ上手く活用することをおススメします。下記のような使い方をしているアカウントがありますので、ご紹介いたします。

STEP1:あいさつメッセージで「日々の情報はLINE VOOMで投稿しているので、フォローお願いします!」と案内しておく

STEP2:リッチメッセージ上に「投稿」へすぐ遷移できるボタンを設置しておく。こうすることで、情報が欲しいと思った時にはLINE VOOMの投稿を見に行けばいいんだ、と友だちが考えてくれるようになります。日頃から案内を繰り返しておくということが大切です。

STEP3:本当に「友だちだけ」に送りたいメッセージやクーポンのみを無料メッセージ配信枠で送る。

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「友だちだけ」に送るべき内容とLINE VOOMでも実は足りるよね、という案内を切り分けることが重要です。

リッチメニューの見直し

最後の対策はずばりリッチメニューの最大限の活用です。利用していないアカウントも多いですが(利用率:45%程度※上記独自調べ)、リッチメニューはLINE公式アカウントの代表的な機能の一つで、非常に便利な機能なので、ぜひぜひ使ってみて下さい。

リッチメニューは工夫を凝らすことで、メッセージ配信をそれほど使わなくても、上手く友だちをホームページ(+各SNS)に誘導することが出来たりします。

日々の一方的な配信はもともと運用しているSNSを活用して、LINE公式アカウントではサポート対応や直接的なチャット対応のみに使い方を絞っているアカウントなども存在します。特に友だち数が増えてきた場合なんかは、このような設計で運用しているアカウントが散見されます。

コミュニケーションプランを使い続けたい場合は、以下のような設計にするのはいかがでしょうか。

TwitterやInstagram、Youtubeといった他SNS:日々の発信を投稿する

LINE VOOMへの投稿:同じく日々の発信を投稿する

友だちへのメッセージ配信(無料枠):絞り込み配信と組み合わせて、本当に反応率の高い友だちだけに、クーポン情報や来店を促す情報を届ける。

✔ポイント:友だちを普段から「属性」「購入経験」「お店への関心度」などでタグ付けして配信効果を高めておく

リッチメニューの設計
✔ 「投稿」や「各SNS」ボタンを設置して、ワンタップで情報発信元へ誘導
✔ 「クーポン」ボタンを設置してタップしたら「テキスト」送信&「自動応答メッセージ」で返答する設計にする(こうすることで直接、友だちとチャットが出来るようになる)
✔ 期間や季節によってリッチメニューを差し替える設定をする(毎月〇日~〇日はリッチメニューが変わる、といった活用方法)。リッチメニューはAPI(有料)を利用しなくても、期間設定によって複数を差し替えることが可能です。この機能を活用しましょう。

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リッチメニューの活用については、公式のコラムなどでも詳細に記載されています。事例も載っているため、ぜひご覧ください。

最後に

さて、いかがだったでしょうか。もろもろの対策について、高度な運用テクニックは実はあまり紹介しておらず、どこまで行っても基本機能を最大限活用しましょう、という基本の案内に終始していたかと思います。

しかしそれが正解なのです。難しいことは全くありません。多くのアカウントが基本機能をまだまだ使いこなせていないと感じていたので、今回のプラン改定に併せて、対応策をご紹介させて頂きました。

もし上記の運用に関してのご質問や、LINE公式アカウントの運用代行を依頼したいといったお話がありましたら、以下のお問い合わせ窓口よりお気軽にご連絡下さい。無料ご相談も受付中です。

それではまた。

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ABOUT ME
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はやし
MEOやLINE公式アカウントの導入支援&事業計画書の作成支援など企業課題を広くお手伝いしています。20代の頃は大手物流会社と税理士法人に勤務。飲食店・歯科・介護福祉施設などの実店舗を数値面からサポート。その後、30歳で上京しVRスタートアップ会社で6年間勤める。360度カメラのECショップ運営・大手量販店開拓、その他幅広くWEBに関する施策を担当。5年間で月商5倍を達成し、WEBマーケティングのノウハウを身につける。趣味は毎日散歩とマインドフルネス瞑想。7月より法人を設立し本格的に事業を始める。
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